高2全統記述模試・数学|
偏差値60を取るために「何点を・どこで取るか」を考える
この記事は、以下のような方におすすめです
- 毎日きちんと勉強しているのに、模試になると数学の点数が思うように出ない高校生
- 難しい問題に時間を取られ、最後まで解ききれずに時間切れになってしまう方
- 「何点を目標に、どの問題で取るか」という戦略を立てて模試に臨みたい生徒さん・保護者様
全統記述模試の数学で偏差値60を目標にするとき、200点満点を見て「できるだけ多く解こう」と考えるだけでは、試験中の動き方はなかなか決まりません。
まず知っておきたいのは、自分が目標とする偏差値には、実際に何点くらい必要なのかです。必要な点数が分かれば、「その点を、どの大問から取るのか」まで考えられるようになります。
この記事では、高2全統記述模試の数学を例に、偏差値60を目標としたときの得点の組み立て方を考えます。
まず「目標点」を数字で把握する
模試の成績表には、平均点とともに「標準偏差」という数字が載っています。標準偏差とは、受験者の点数が平均点のまわりにどの程度ばらついているかを表す数字です。
偏差値は、50+10×(自分の得点-平均点)÷標準偏差で計算できます。したがって、偏差値60を目標にするなら、平均点+標準偏差を一つの目安にできます。
【2025年度 高2全統記述模試・数学】
・配点:200点満点
・平均点:70.6点
・標準偏差:42.1
70.6+42.1=112.7
つまり、この回で偏差値60を目標にするなら、約113点が一つの目安になります。正規分布で考えれば、偏差値60は上位約16%に相当します。
同じように126点なら、50+10×(126-70.6)÷42.1 ≒ 63.2となります。
※平均点・標準偏差は年度・回次によって変動します。実際に受けた模試では、個人成績表に記載された数値で確認してください。
「偏差値60を取りたい」だけでは、試験中に何をすればよいのか分かりません。しかし、「200点満点で113点を取る」と置き換えると、次に考えることが具体的になります。
113点を、どこから取るか
高2全統記述模試の数学は80分・200点です。近年の構成では、第1問が40点、第2問が60点、その後の選択問題が各50点で、選択問題から2題を解く形になっています。
ここで大切なのは、113点を「全体の約6割」とだけ考えないことです。実際の試験では、どの問題で、その113点を作るのかまで考えておく必要があります。
その出発点になるのが、第1問の小問集合です。
第1問40点は、まず取り切る
第1問は40点です。偏差値60を目標に113点を取るなら、ここで40点を確保できれば、残りは73点です。反対に、第1問で20点落とせば、残りの大問から93点を取らなければ113点に届きません。
後半の大問で難しい問題を解くことも大切ですが、その前に、基本事項を問う小問集合で40点を確保できる状態を作ることを優先したいところです。
以下は、高2全統記述模試の第1問・小問集合を意識し、そこで必要になる基本事項を確認できるよう弘道塾で作成したオリジナル問題です。まずは時間を計って、自分で解いてみてください。
第1問(小問集合)を意識したオリジナル問題
- \( (2x - 1)(4x^2 + 2x + 1) \) を展開せよ。
- \( \dfrac{x-2}{1 - \dfrac{1}{x+1}} \) を簡単にせよ。
- 2次関数 \( y = 3x^2 - 6x + 5 \) の最小値を求めよ。
- \( i \) を虚数単位とするとき、\( \dfrac{(1 + i)^2}{i} \) を \( a + bi \)(\( a, b \) は実数)の形で表せ。
- \( AB = 3,\ BC = \sqrt{13},\ CA = 4 \) である \( \triangle ABC \) において、\( \cos \angle BAC \) の値と \( \triangle ABC \) の面積を求めよ。
- \( a, a, b, b, c, c \) の6文字を1列に並べるとき、並べ方は全部で何通りか。このうち、\( b, b \) が隣り合わないような並べ方は何通りか。
── まずはここまでを、自分の力で解いてみてください。 ──
(目安:この6問を15分以内で。解き終わったら下の答えで確認しましょう)
答え合わせ
- \( 8x^3 - 1 \)
- \( \dfrac{x^2 - x - 2}{x} \)(ただし \(x\neq0,-1\))
- \( x = 1 \) で最小値 \( 2 \)
- \( 2 \)
- \( \cos \angle BAC = \dfrac{1}{2}, \quad \) 面積 \( = 3\sqrt{3} \)
- 全体:90通り、\( b, b \) が隣り合わない並べ方:60通り
ここで確認したいのは、正解できたかどうかだけではありません。解説を読めば分かる問題を、試験本番で速く正確に解ききれるかどうかです。ここで失点する場合は、理解の確認に加えて、時間を意識した反復練習が必要です。
第1問は「40点」だけでなく「15分以内」を目安にする
第1問を取り切ることだけを考えて、25分、30分とかけてしまうと、その後が苦しくなります。試験時間は80分です。解く大問は全部で4題なので、単純に割れば1題20分です。
ただし、第2問は中問に近い問題が複数含まれる構成になることがあり、20分では余裕がありません。その時間を後ろに残すためにも、第1問は15分以内を一つの目安にします。
基本問題で、公式を思い出すのに時間がかかる、計算を何度もやり直す、解法が決まるまで手が止まる、という状態なら、まずそこを整えます。第1問の40点は、基本事項を短時間で正確に使えるかを確認する場所でもあります。
40点取れたら、あと73点をどう作るか
第1問で40点取れても、目標の113点まではあと73点あります。つまり、「第1問を全部取れば偏差値60になる」わけではありません。
第2問や選択問題から、さらに73点を積み上げる必要があります。そこで大問を見るときは、「この大問を全部解けるか」だけで考えないようにします。
大問の前半には、その後の問題を解くための条件整理や基本的な計算が置かれていることがあります。後半で手が止まっても、前半まで取れる問題なら、その得点は残せます。
113点を目標にするなら、第1問の40点+第2問・選択問題から73点をどう作るか。これを問題構成を見ながら考えます。難しい最後の1問に時間を使うより、別の大問の前半を確実に取る方が、目標点に近づくこともあります。
「解ける問題」ではなく「取る点」を決めておく
模試では、問題を最初から順番に解いているうちに時間がなくなることがあります。そこで、試験前には少なくとも、目標点は何点か、第1問で何点取るか、第1問に何分使うか、残り何点が必要か、第2問・選択問題のどこから積み上げるかを考えておきます。
偏差値60を目標にするなら、今回の例では113点です。第1問40点を15分以内で確保できれば、残り65分で73点を取りにいくという形になります。
ここまで数字にすると、模試での動き方がかなり具体的になります。
模試は「全部解く試験」と考えなくていい
記述模試を受けると、解けなかった問題の数が気になるかもしれません。しかし、目標が113点なら、必要なのは200点分すべてを解くことではありません。自分の現在の力で、113点をどこから作るか。まずそこを考えます。
もちろん、学力が上がれば目標点も変わります。偏差値65を目標にするなら得点設計も変わりますし、さらに上を目指すなら、これまで後回しにしていた問題まで解く必要があります。
模試の得点戦略は、「難しい問題を捨てるため」のものではありません。今の目標に対して、限られた80分をどう使うかを決めるためのものです。
そして模試が終わったら、今度は解けなかった問題を見直します。試験中の「得点戦略」と、試験後の「学力を伸ばすための復習」は、分けて考えてください。
まとめ
偏差値だけを目標にすると、試験中に何をすればよいのかは曖昧です。平均点と標準偏差が分かれば、まず目標点へ置き換えられます。今回の例なら、偏差値60 → 約113点です。
そこから、第1問40点 → 残り73点と考える。さらに、第1問15分 → 残り65分と時間にも置き換える。
こうして、「何点を・どの問題で・何分使って取るのか」まで考えておくと、模試の受け方はかなり具体的になります。
模試の成績表が返ってきたら、偏差値だけを見るのではなく、平均点と標準偏差も一度確認してみてください。次の模試で目標にする点数を考える材料になります。
模試が終わった後の復習については、こちらの記事で具体的に扱っています。
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数学の模試では、目標点や時間配分だけでなく、実際の答案や途中式も確認します。必要に応じて問題を解いたときの考え方も一緒にたどり、どこまでは自力で進められていたのか、どこから迷ったのかを整理しながら、次の学習内容や模試での得点の組み立て方を考えます。