進研模試 高1・7月数学|
模試当日から9月実力テストまでの"後始末"サイクル
この記事は、以下のような方におすすめです
- 7月の進研模試を受けて、思ったより解けずに数学の壁を感じている高1生
- 返ってきた個人成績表の偏差値を見て、一喜一憂するだけで終わらせたくない保護者様
- 夏休みの自習時間を、自分の本当の弱点に絞って最も効果的に使いたい受験生
模試は「受けた日」から使い始める
高1の7月進研模試は、高校に入って初めての全国模試です。中学までの定期テストや下野模試とは、問題の質も競争相手の規模もまったく違います。思ったより解けなかったと感じた人も多いのではないでしょうか。
ただ、ここで大事なのは点数そのものではありません。この模試を「夏休みに何をやるかを決めるための材料」として使えるかどうか。それが、秋以降の成績を大きく左右します。
多くの高1生は、模試のあと成績表が届くまでの約1か月半、何もしないまま過ごしてしまいます。届いた偏差値を見て落ち込み、なんとなく復習して終わり。これでは、模試を十分に活用できていないことになります。
この記事では、模試を受けた当日から夏休みを経て9月の実力テストまで、約3か月かけて「やりっぱなし」を防ぐ方法を解説します。やることは全部で4ステップ。順番に説明していきます。
弱点を実力に変える「後始末」の4つのステップ
ステップ1:模試直後——「手ごたえ」を記録する(7月中旬)
模試が終わったら、その日のうちにやることがあります。自分の手ごたえを、記憶が鮮明なうちに書き出すことです。
やり方はシンプルで、各大問について「できた」「たぶんできた」「手がつかなかった」の3段階で仕分けるだけです。正確な正誤はまだわかりませんが、それでかまいません。ここで記録しておきたいのは「客観的な正解・不正解」ではなく、「試験中に自分が何を感じたか」という主観的な手ごたえのほうです。
なぜこれが必要かというと、成績表が届くのは約1か月半後の8月下旬です。その頃には、試験中にどの問題で手が止まったか、どこで時間を使いすぎたかといった感覚はほとんど消えています。成績表の数字だけを見ても、「なぜその点数になったのか」を自分の実感と結びつけて分析することができなくなる。だから、感覚が残っている今日のうちに書いておく必要があるのです。
手ごたえを記録したら、次に、つまずきの原因を3つのタイプに分類します。
◆ タイプA(理解不足):解答解説を読んでも、なぜその式になるのか、なぜその解法を使うのかがわからない状態です。これは単元そのものの理解が足りていません。
◆ タイプB(定着不足):解説を読めば「ああ、そうだった」とわかるけれど、試験中には思い出せなかった状態です。理解はしているが、自力で引き出せるレベルまで定着していません。
◆ タイプC(スピード不足):じっくり考えれば解けたはずだが、時間が足りなかった状態です。
7月の進研模試の数学では、多くの高1生が二次関数の問題でつまずきます。二次関数は高校数学で最初に出会う本格的な「抽象的思考」を求められる単元で、中学の関数とは要求される理解の深さがまったく異なります。もし二次関数の大問でタイプAに該当するなら、これは夏休みの最優先課題です。
ステップ2:夏休み——課題を「単元と教材」で設定する(7月下旬〜8月)
ステップ1で仕分けた結果をもとに、夏休みに取り組む課題を決めます。
ここで注意すべきなのは、課題の設定の仕方です。「夏休みは毎日3時間勉強する」「数学を頑張る」といった目標では、具体性がないため検証ができません。8月末になって「頑張ったけど、何がどれくらいできるようになったかわからない」という状態に陥ります。
課題は、「どの教材の、どの単元を、いつまでに終わらせるか」で設定してください。
たとえば数学で二次関数がタイプA(理解不足)だった場合、学校で配られている傍用問題集(4プロセス、サクシード、ニュースコープなど)の二次関数の章を使い、まずA問題を1周してから、B問題に進む。夏休み前半の2週間でA問題、後半の2週間でB問題、というように期限を区切ります。新しい参考書を買う必要はありません。学校の授業で一度触れた内容を、模試の結果を踏まえて「なぜこうなるのか」を考えながらやり直すことが重要です。
タイプB(定着不足)の場合は、理解はできているので、同じ傍用問題集のB問題を繰り返し解いて反射的に手が動くレベルまで持っていくことが目標になります。タイプC(スピード不足)の場合は、時間を計って解く練習を入れることで対応できます。
全範囲を均等にやる必要はありません。模試で特定した弱点単元に絞ることで、限られた夏休みの時間を最も効果の出るところに集中させることができます。
ステップ3:成績表返却——手ごたえと実際の得点を照合する(8月下旬)
8月下旬、模試の個人成績表が届きます。ここでやるべきことは、偏差値を見て一喜一憂することではありません。
ステップ1で記録しておいた「手ごたえ」と、成績表に記載されている大問別の得点率を並べてください。確認すべきは、この2つが一致しているかどうかです。
「手がつかなかった」と記録した大問の得点率が低いのは、想定通りなので問題ありません。ステップ2で設定した課題をそのまま継続してください。
注意が必要なのは「ずれ」が生じている場合です。「できたと思っていたのに、実際の得点率が低い」大問がある場合は、計算ミスや、解法の根拠が曖昧なままなんとなく解いてしまった可能性があります。本人の自覚がないまま穴が空いている状態なので、放置すると秋以降に影響が広がります。夏休みの残りの期間で、この単元をステップ2の課題に追加する必要があります。
逆に、「手がつかなかったと思っていたが、得点率は平均並みだった」大問がある場合は、試験中の焦りで実力を過小評価していた可能性があります。この単元に過剰な時間を割く必要はないかもしれません。
このように、主観的な手ごたえと客観的な得点データを照合することで、夏休みの残り期間の使い方を微修正できます。これが、成績表返却前に手ごたえを記録しておくことの意味です。
ステップ4:9月実力テスト——夏の成果を検証する
夏休みが明けると、ほぼすべての進学校で実力テスト(課題テスト)が実施されます。このテストが、夏の取り組みの「答え合わせ」になります。
ここでの確認方法は明快です。7月模試で弱点だった単元が、9月の実力テストでどうなっているかを確認する。それだけです。
たとえば7月模試で二次関数の得点率が低く、夏休みに傍用問題集の二次関数を集中的にやり直したとします。9月の実力テストで二次関数の問題が解けるようになっていれば、夏の勉強法は正しかったということです。この手応えは、2学期以降の学習に向けた自信と方向性の確認につながります。
しかし、もし実力テストでも同じように二次関数で手が止まったとしたら、それは夏の取り組み方に問題があったということです。よくあるのは、宿題として問題を「こなす」ことが目的になってしまい、解法の意味を理解しないまま答えを写す作業になっていたケースです。2学期に入ると三角比という次の山場がすぐに始まります。二次関数の理解が不十分なまま三角比に進むと、つまずきが連鎖していくため、ここで軌道修正が必要です。
この3か月で身につくのは、数学の知識だけではない
ここまで読んで気づいた方もいるかもしれませんが、この「後始末サイクル」は数学の成績を上げるためだけのものではありません。
「自分の状態を把握する ➔ 課題を決める ➔ 実行する ➔ 結果を確かめる ➔ 次にやることを修正する」というこの流れは、高2・高3と学年が上がっても、科目が変わっても、そのまま使える勉強の型です。
高校最初の全国模試である7月進研模試をきっかけに、この「自学自習のPDCAサイクル」を身につけることができれば、それは大学受験に向けた最大の、一生ものの武器になります。
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ただ解法を教えるだけの授業ではなく、「つまずきを引き起こしている根本的な自習のやり方」そのものを見直し、自力で正解までたどり着ける本物の思考力を1対1で育てていきます。
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